[aside type="orange"][keikou]股関節の痛みはお尻の筋肉が原因[/keikou][/aside]
日々の施術を通じて感じることは、意外と股関節に痛みを感じていらっしゃる方が多いことです。
そこで、股関節痛の原因と対策についてまとめてみます。
股関節を英語で、"[keikou]hip joint[/keikou]"(ヒップジョイント)と言います。
つまり「お尻の継ぎ目」ってことです。
股関節の動きに関わる筋肉について
股関節にも肩関節と同じく多くの筋肉が関係しています。
股関節の動きはかなり複雑で、
- 前後への動き(屈曲・伸展)
- 横への動き(外転・内転)
- ひねる動き(外旋・内旋)
と、それらの組み合わせがあります。
[colwrap][col4]屈曲と伸展[/col4][col4]伸展[/col4][col4]外転[/col4][col4]外旋と外転[/col4][/colwrap]
これらのうち、
- 股関節の後ろと外側への動きにはお尻
- 股関節の前と内側には太腿
- 股関節をひねる動きにはお尻と太腿
の筋肉が主に関係します。
つまり、[keikou]股関節の動きにはお尻と太腿の筋肉が深く関わっています。[/keikou]
身体の構造と痛みの原因
ちなみに、股関節に無理がかかるとお尻の奥の方に痛みが出ます。
痛みを訴える患者さんも、どこが痛いのかよく分からないようで、皆さん口を揃えるように「なんかお尻の奥のほうが痛い」とおっしゃいます。
いわゆる「お尻のえくぼ」と言われる、横側の少し凹んだところ、その辺りの奥の方に股関節があるからです。
その股関節から斜め上外側にあるのが、「大転子」という大腿骨(だいたいこつ)の一部分で、まっすぐ立って手を身体の横に垂直に降ろしたとき、手のひらあたりに当たる骨です。
大転子には、いろんなお尻の筋肉がくっついています。
股関節に痛みを訴える方の特徴は、[keikou]股関節をひねる(内旋・外旋)動きが固くなっている[/keikou]ことです。
股関節をひねる働きをするお尻の筋肉は、
- 内旋が「中臀筋(前方繊維)」
- 外旋が「大臀筋」や「梨状筋(およびその他の外旋六筋)」
が主に担っています。
私が多くの患者さんを診てきた経験で言いますと、[keikou]内旋の働きをする「中臀筋」と、外旋の働きをする「梨状筋」の相反する筋肉が、ケンカするようにお互い固くなって股関節を詰まらせ、痛みを出している[/keikou]ように思います。
とりわけ厄介なのが「中臀筋」。この筋肉はひとつの筋肉でありながら、前方の繊維は内旋、後方の繊維は外旋と、真逆の働きをするのでゆるめるのが結構大変です。
あと忘れてはならないのは、股関節を外旋させる働きをもつ「大腰筋」や「腸骨筋」の拘縮も、股関節の動きを悪くする一因となっています。
その他、脚を外に広げる動き(股関節外転)の時にお尻の奥が痛い時は、太腿の内側の筋肉「内転筋群」等が縮んでいます。
例えば、床に座って脚を伸ばして左右に開き身体を前に倒したとき、太腿の内側が突っ張りますが、それはまだ筋肉のこわばりがひどくありません。
太腿の内側の筋肉のこわばりが強くなると、内側の筋肉の突っ張りよりもお尻の奥の痛みの方が強くなります。
※この体勢で股関節が痛む場合は、内転筋がかなりこわばっています。
これは、太腿の内側の筋肉(内転筋群)のこわばりが強すぎて、痛みを感じるところまで筋肉が伸びていない状態なのです。
そのことによって股関節に負担がかかるので、股関節に痛みを感じるのです。
それは、お尻の筋肉に関しても同じです。
伸ばしている筋肉そのものの痛みではなく、お尻の奥に痛みを感じる場合、お尻の筋肉が縮みすぎているということです。
股関節痛の対策について
ですので、股関節に関わらず関節付近に痛みが出る場合、関節そのものが悪いわけではなく、周囲の筋肉の強ばりが原因であるケースが多いので、痛んでいる場所だけに目を向けることのないように注意したいものです。
股関節痛は、放っておくと最悪の場合には歩行困難になり、果ては車椅子生活か杖生活、整形外科などで人工股関節置換術などを勧められて手術を受けたとしても、以前のように動けるわけではなく生活の質はかなり下がります。
当院では股関節痛の症状の場合、お尻の筋肉と内転筋群に注目し、痛みの原因となるこわばった筋肉を探して、「ミオンパシー」でゆるめることで改善していきます。
ただし、お尻の筋肉はかなりゆるみにくい部類になりますので、ちょっと時間はかかります。