もくじ
腰痛体操やストレッチを過信してはいけません。
ヘタをすると、腰痛が悪化する場合も。。。
[voicel icon="https://aidstation.net/wp-content/uploads/2018/03/DSC_1994.jpg" name="エイド院長"]腰痛体操やストレッチを熱心にやり過ぎて、かえって腰痛を悪化させている方が結構いらっしゃいますよ。[/voicel]
[topic color="green" title=" 》このページの要約《 "]
- 腰痛体操やストレッチで腰痛が悪化する場合がある。
- 腰痛を引き起こす根本原因は筋肉のロックである。
- 筋肉のロックは身体を守るしくみなので、正しく対処しなければならない。
[/topic]
「腰痛 体操」や「腰痛 ストレッチ」といったキーワードで検索して、このページにたどり着く方が結構いらっしゃるようです。
でも、体操やストレッチって本当に腰痛に効くの?
腰痛体操やストレッチなどは、主に慢性的な腰痛(慢性的筋性腰痛症)に対して、
「筋肉を伸ばして身体を柔らかくし、筋肉が痛まないようにする」
という目的で行われるものです。
これが、何故腰痛にいけないのか?
「筋性腰痛に湿布や痛み止めの薬は害になる」のページでも触れましたが、筋性腰痛症の根本原因は、
筋肉のロック (拘縮) と、それに伴う関節の可動不全 です。
筋肉が硬く縮んでロックしてしまい、毛細血管が圧迫されることにより血行不良が起き、筋肉細胞に充分な酸素を送り届けることができなくなりますので、組織が炎症を起こし痛みが生じます。
この痛みはじっとしてても痛むし、身体を動かしたときにロックした筋肉を引っ張ることでも痛みます。
慢性的筋性腰痛とは、言わば筋肉のロックによる酸素欠乏の痛みなのです。
よって、この筋肉のロックを解決しない限り、腰痛(慢性的筋性腰痛症)は本当の意味での改善はしません。
腰痛体操やストレッチでは、[keikou]腰痛の根本原因である筋肉のロックを解決することはできない[/keikou]、[keikou]むしろやり方によってはさらに腰痛を悪化させる恐れがある[/keikou]ということを解説していこうと思います。
腰痛を引き起こす筋肉のロックは、なぜ起こっているのか?
筋肉のロックは身体の防御反応
皆さんが腰痛を患っている場合の筋肉のロック(拘縮)は、「運動後に筋肉が張る」といったものとは違って、じつは腰を護るための身体の仕組み (生理反応)です。
腰痛の場合、腰周囲の筋肉が必要以上に引っ張られた時、腰の筋肉や腱が切れたり、その筋肉が付いている関節が壊れないようにするためのものです。
これは、車のシートベルトの仕組みと似ています。
腰を護るための仕組みの働き方
腰の筋肉(筋線維)の中には、筋肉の伸び縮みをを感知する器官(筋紡錘)があります。
腰の筋肉に無理な力がかかった時には、この装置が「危ない!切れそうだ、引っ張られすぎないように縮んで守れ!」という信号を出します。
そうすると腰の筋肉はギュッと縮んで、引っ張られても切れないようにします。
急ブレーキをかけたときや、衝突したときの衝撃では頑としてゆるまないシートベルトの仕組みと同じですね。
そしてシートベルトと同じように、ギュッと縮んだ筋肉はただ放っておいても元に戻ることはなく、ずっと縮んだままの状態が続きます。
この状態を 筋肉のロック(拘縮) と言います。
「そのような無理な負荷なんてかけてないよ。」という方もおられるでしょう。
しかし、筋肉の使いすぎで疲労が重なっていたり、栄養状態が悪かったり、睡眠不足だったり、座りっぱなしで腰の筋肉に血液が充分に行き渡っていないときなどは、イスから立ち上がるという程度の動作でも、筋肉のロックがかかりやすくなっています。
[aside type="boader"][spfont]※拘縮という言葉は「持続的収縮」という意味なのですが、一般の方には伝わりにくいので、拘縮という状態はあたかも筋肉にロックがかかったように硬く縮んだまま動かなくなる様子を、分かりやすいよう便宜上「筋肉のロック」と表現しています。[/spfont][/aside]
そしてこの筋肉のロックは、前述の腰の筋肉の伸び縮みを感知する装置(筋紡錘)が「もうゆるんでもイイよ。」という信号を筋肉に伝えない限り解除されません。
ロックして動かなくなったシートベルトを外すように、「筋肉の伸び縮みを感知する装置=筋紡錘」からの信号をストップしない限り、腰痛(慢性的筋性腰痛症)を起こしている筋肉は、身体を護るために働き続け(ロックし続け)ます。
そして、その筋肉の過緊張(ロック・拘縮)が腰痛を発しているのです。
ですから、腰痛時の筋肉のこわばり・収縮をゆるめるためには「もうゆるんでもいいんですよ。」ということを、腰痛を起こしている筋肉(筋紡錘)に教えてあげなければなりません。
そうしないと、腰の筋肉はずっと縮んだままです。
筋肉のロックは組織の生理的反応(外部からの刺激に対する生体の機能的な応答)ですので、生理的反応には生理的反応で解決する必要があるのです。
腰痛体操やストレッチが、筋肉のロックという生理的反応に対して合理的な方法であればうまく腰痛が解消しますが、多くの場合において合理性が乏しく、一時しのぎになることはあっても、長期的に見るとますます筋肉のロックを強める結果となってしまっています。
筋肉をゆるめる上で注意すること
ただ、腰痛を改善するには筋肉のゆるめ方に少々コツが必要で、「ゆるんでいいよ」という情報を上手に伝えないと、よけいにこじれることがあります。
温めたり、冷やしたり、揉んだり、叩いたり、ではゆるみません。
体操やストレッチでもゆるみません。
確かに、慢性の腰痛症に対して、温めたり、揉んだり、ストレッチしたり、体操したりすると、その場は少しゆるみますが、あとで余計に腰痛がひどくなる事も少なくありません。こういった経験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
つまり、強い刺激を与えてしまうことで、
「やり方が不適切だと、やる前より余計に筋肉が縮んでしまうことがある。」
ということです。
なぜかというと、護るために働いている腰の筋肉に強い刺激を与えてしまうと、「また負荷がかかったぞ!もっと頑張って護らなくては!」と、腰の筋肉にある筋紡錘は感じ取ります。
そして、ますます拘縮を強めてしまうことになるのです。
ロックしたシートベルトをいくら力任せに引っ張っても伸びることはありませんよね?
それどころか、握っている手の方が痛むだけでしょう?
腰痛(慢性的筋性腰痛)の原因である、拘縮した筋肉をゆるめるためには、シートベルトのロックを解除するように、筋紡錘からの信号をストップして筋肉の拘縮をゆるめる方法をとらなくてはなりません。
それが当院で行なっている腰痛改善のための整体法「ミオンパシー」なのです。
筋肉をゆるめた後のストレッチは有効
ちなみに、エイド・ステーションの筋肉回復手技療法「ミオンパシー」を使って「筋肉の伸び縮みを感知する装置(=筋紡錘)」に危険が去ったことを伝えて、筋肉のロックを解除した後なら、腰痛体操や腰痛のためのストレッチは「腰痛の予防」方法としては有効になります。
よって、一般的には筋肉のロックをゆるめた後でなければ、慢性的筋性腰痛症に対する腰痛体操や腰痛のためのストレッチは無効であると言えるのです。
[voicel icon="https://aidstation.net/wp-content/uploads/2018/03/DSC_1994.jpg" name="エイド院長"]
まずはエイド・ステーションの施術を受けて、腰痛を引き起こす根本原因となる「筋肉のロック」を解消してみてください。
ある程度、筋肉のロックが解消されれば、その時の患者さんに状態に合わせた効果的なエクササイズを指導しています。
[/voicel]