当ページをご覧頂きましてありがとうございます。
自然整体院 エイド・ステーション院長の増田和幸です。
職業柄、身体や健康に関する情報をキャッチすることが日常的な習慣になっているのですが、とりわけ身体の痛みに関する情報には敏感にならずにはいられません。
中でも最も気になるのは、「あなたの痛みの根本原因は、身体の歪みにある!」説です。
多くの治療院が、「あなたの痛みの根本原因を探し、、、」とか「痛みの原因を根本から解消します!」などと謳っておられますが、ついぞその内容を論理的に納得できるものを見た試しがありません。
もくじ
ググるとわんさか出てくる「身体の歪み」原因説
試しにGoogleサイトで、「身体の歪み 痛み」で検索してみてください。
この記事を書いてる時点でやってみると、わらわらと980万件もヒットしました(笑
ざっとそれらのサイトの中身を確認してみると、
なんとなくそれっぽいことは書いてありますが、どれも本質論には触れてません。
単なる無責任な情報サイトならいざ知らず、プロの治療家がやっている治療院までこのような有様です。
ひどいのになると、「あなたの痛みの根本原因は身体の歪みだった!」と書いた尻から「身体がゆがむ◯つの理由」って、
理由があるってことは、身体がゆがむのは結果ちゃうん!
さっき原因や言うたやん!!
と吠えたくもなります (笑)
どうして身体が歪むの?
身体が歪むとどうして痛くなるの?
身体がすんごい歪んでいるのに、ぜんぜん痛くない人がいるのは何故?
この問いにどなたかきちんと答えてください。
そもそも痛みとは生理現象
痛みは、生理学や神経学で語られなければなりません。
私たちが扱う筋骨格系の痛み(腰痛、股関節痛などの筋性疼痛症)は、神経線維の一種であるC繊維の末端についているポリモーダル侵害受容器が、発痛物質を受けとった時に、痛みの電気信号に変換し脳へ伝わるのです。
この機序をきちんと説明をせず、「身体の歪みが痛みの原因です!」と唱えられても、「風が吹けば桶屋が儲かる」的にさっぱり意味が通じないのです。
専門的な知識がないと、このような「ふわ〜っとした、それっぽい」プロ風情が言うことを真に受けて、「あ〜、身体の歪みを正せばこの忌々しい痛みがとれるのか〜」と簡単に騙されてしまうので危険です。
詳しく知りたい方は、以下のようなまともな医学論文を読んでください。
「痛みの生理学 Physiology of Pain」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika1996/15/3/15_3_73/_pdf/-char/ja
身体は勝手に歪まない
「身体の歪みが痛みの原因」であるなら、なぜ身体は歪むのでしょう?
まあせいぜい「姿勢が悪いから」とか「身体の使い方が間違っているから」「バランスが崩れるから」など、これまたおよそ非科学的な「ふわ〜とした」言い分に終始していることでしょう。
完全に間違いというわけではないのですけどね。
身体はまず骨格がありますが、骨だけでは地上で身体を支えられません。
骨と骨とをつなぐ靭帯があって、身体を支えたり関節を機能させる腱と筋肉で成り立っています。
これが筋骨格系です。
身体を歪ませるのは筋肉のロック
骨は硬組織ゆえ勝手に歪むことはありませんので、身体を歪ませる原因があるとすれば、先にあげた筋肉、腱、靭帯等の軟部組織が骨を慢性的に引っ張ることでしかありえません。
骨格が定位置の場合、筋肉・腱・靭帯ともに通常の長さですが、これら3つが持続的な短縮を起こしたとしたらどうでしょう?
骨が引っ張られて骨格が歪むますよね。
特に筋肉の短縮は度合いが大きいので、そのぶん歪みは大きくなります。
ではなぜ、筋肉が持続的な短縮を起こすのでしょう?
それは、[keikou]筋肉に過剰な負荷がかかると、筋肉自体が壊れないように硬く縮んで護ろうとする生理的性質があるからです。[/keikou]
その機序を学術的に説明すると、
筋肉に微小損傷が発生すると筋小包体が障害され、カルシウムイオンが放出される。その結果、ミオシンフィラメントの間にアクチンフィラメントが滑り込む。こうして筋線維が短縮する。このとき活動電位が出ないので、収縮と呼ばず拘縮という。
引用元:心療整形外科「筋筋膜性疼痛症候群」
https://junk2004.exblog.jp/14930081/
ということになるのですが、分かりにくですね (笑)
とにかく冒頭に説明したように、「筋肉に無理な力がかかると、壊れないように硬く縮む。」という性質があることを覚えておけばOKです。
この筋肉の拘縮という現象を、整体法「ミオンパシー」を学んだ門下生は、一般の人にも分かりやすく説明するために、
筋肉ロック
という用語で表現しています。(筋肉のロック、筋肉がロックしている、など)
筋肉のロックはなぜ起きる?
先ほど、筋肉のロックは「筋肉に無理な力がかかると」と起きると説明しました。
では、無理な力とは一体何?ってことなんですが、
ケース1.ものすごく縮んだり伸ばされた時、または外傷を受けて筋肉に微小損傷が発生した時。
ケース2.繰り返し動作や、同じ姿勢の維持などによる筋肉の持続的収縮によってエネルギー枯渇した時。
ケース3.ストレス過多で交感神経優位が長時間に渡り続いた時。
だいたいこの3パターンに分かれると思います。
以下の記事で、筋肉がロックする場面を具体的に説明してますので、参照してみてください。
[kanren url="https://aidstation.net/trigger-of-pain/"]
https://aidstation.net/trigger-of-pain/
「筋肉がロック」すると痛みを生じる
筋肉のロックが発生すると、血管が圧迫を受けて血流が障害されます。
これに筋肉ロックによるエネルギー消費の増大が加わって代謝産物が蓄積し、ブラジキニンという発痛物資が産出されて痛みを生じます。
このときプロスタグランジンも産出され、ブラジキニンの発痛作用を増加させます。
(血液不足→酸素や養分の不足→発痛物質の産生蓄積→発痛)
ここで発生した発痛物質が、先に説明した神経線維のポリモーダル侵害受容器とつながるのです。
筋肉が痛みの発生源となると、反射性筋収縮や血管収縮が加わって痛みを強め、痛みの悪循環ができ上がります。
ロックした筋肉がゆるんで元に戻るのにATPというエネルギーを必要とするのですが、血流が悪いとATPの産生が減って(エネルギー不足)なかなか筋肉ロックが解けないことになります。
[aside type="boader"]筋肉の意に反した収縮と考えれば良いです。血流が悪く、養分や酸素が十分に供給されず、エネルギー不足となり、筋肉が元に戻らなくなるのです。[/aside]
「筋肉のロック」が身体の歪みと痛みの原因!
ここまで、
- 痛みの生理学
- 身体が歪む理由
- 筋肉ロックが痛みを起こす
という3点をちゃんとした生理学の観点から見てきました。
これらをまとめますと、
[keikou]身体が歪むのも、痛みが出るのも、「筋肉が硬く縮んでロックしたことが原因」と考えるのが、論理的に筋が通っている[/keikou]と言えるでしょう。
身体の歪みとはあくまで結果であり、この結果を変化させたところで、別の結果(身体の痛み)が好転するとは言えないことは論を俟たないです。
エイド・ステーションの整体法「ミオンパシー」は筋肉のロックを解消する施術です。
筋肉のロックを解除すれば、身体の歪みと痛みの改善が同時に実現することがお分かりいただけると思います。
原因と結果をゴチャゴチャに取り違えている治療院と、きちんとした生理学に基づいて論理的に対処している当院と、どちらを選ぶのが正しい選択だと思いますか?